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SENNHEISER HD580 [買った物レビュー]

ゼンハイザーのヘッドホン、HD580です。

        

 このメーカには、ひときわ強い印象を持っています。
実は、以前映像制作会社に勤めていた時代に使っていまして。


 この映像制作会社という奴は、要するにはTV局の下請けでしてTV番組を代わり作ったり、
結託して企業CMを作り、局は放映料で儲けて、制作会社はCM制作費を頂いたり。
其れだけでは喰って生けないので、ラジオ番組を作ったり各種結婚式やらピアノ発表会やらを
撮って生計を立てるハイエナ商売です。(悪く言えば。)

 で、この会社では、マイクの事を"ゼンハイザー"と呼んで居りました。
TVで先っちょにフワフワ(*1)が付いた長い棒を音声さんが担いでいるのを観た事があるでしょうか?
僕もあれを担いで、様々なロケ地を転々しましたので、修羅場をくぐった戦友として"ゼンハイザー"
という名には特別な愛着があります。

と、まあ、HD580に全然関係の無い点は置いておきまして、本題に。

以前、モニタリング環境がKOSSのUR40でっす。と言いましたが、さすがにこのままでは、出来上がる音がロクな事には成らん
だろうと、ヘッドホンを買い加える事にしました。

 本当は、モニタリングはスピーカがマストですが、ヘッドホンと比べると桁違いの価格と、出音を
気にしない環境整備から入る必要があります。 僕の居住部屋などバリバリの1Rですんで、
まとも(*2)に音が出せる訳がありません。

 で、AKGのK240S(*3)は持っていたのですが、以前書いたとおり、寝ながら聴いていて壊した
ので、修理中です。(7000円ぐらい掛かりました。)修理まで1ヶ月強掛かるそうなので、その間
の代役として、ついでに上級を狙うと、このHD580になった訳です。

 購入に際しては、ヘッドホン購入者には定番といっていい、中野のフジヤエーベックに。
当初はHD595(*4)を予定していたのですが、余りに質が違う為にHD580に変更。中古も有ったの
ですが思い切って新品です。

以下感想。

1.音場感
  AKGや、KOSSや師匠に聴かせてもらったUltraSoneの密閉型と比べての話ですが、定位が
  左右に広いです。これがホントに左右に直線的なのが面白いです。 音がひな壇に並んでい
  る様です。バイノーラル録音の音源だと更に面白い。

2.音質
 この機種によく言われる"聴きやすく"なってしまうという点は解りました。
 この表現は、音のエッジがとれて輪郭がぼやけて平均的になってしまうという悪い意味で取ら
 れる場合が多いですが、僕はこれは使えると。
  一般的に再生に使われるミニコンポの音質のそのまま延長線上に近い感じですので、聴き手
 に合わせた感じにはし易いですね。AKGと違って低音も鳴りますし。分解能も良い様です。
  ただ、面白くない音源を聴くとそのまま面白くなく再生されますね。それは解ります。
 面白く加工はしてくれません。 シンセ音との相性もそこそこだと思います。

3.着装感とか使い勝手。
 重い・痛い。 比較対照のHD595は軽くフィットしてGOOD! ですが、コイツは中々手ごわい。
 でもまあ、慣れれる範囲ですけど。260gです。あと、標準ケーブルは長くて使い易いですね。
 イヤパッドは繊維物なのでホコリを盛大にかき集めてくれます。 デザインは何だか一世代前
 ですが、それもまあ良しと。間違っても外では使いませんし。

次回からはコイツで作った曲がお目見えするのですが、あいかわらずchippyな曲なんで、
「なんだ、変わらんじゃないか!」とか言われそうで、そういうプレッシャーを自身に仕掛けるという
裏の目的はキッチリ果たしている様です。


*1 先っちょにフワフワ:
  正式名称は、ウインドージャマー。 あの中には筒状のコンデンサーマイクがゴムで釣られて
 おり、風による雑音はおろか、音声さんの手の揺れさえカットする優れものです。手がつかれる
 とアレが画面にフレームインしてカメラさんから物が飛んできます。

*2 まともな音量:
  人それぞれ言う事は違いますが、基本的には実際にその楽器が発音する音量と同等で
 マスタリングするべきなんじゃないかと。あと、スピーカも適切な空間に置くべきでないかと。
 狭く使うと狭い音場の曲ができます。

*3 AKG K240S:
  240Sは、このジャンルでは定番の同社240Mの低インピーダンス版で出力の弱いipodやらに
 繋いでも、まあなんとか出来るようになっていますが、同じ音量で聴いた時に240Mと比べて
 若干派手に聴こえる為、AKGの美学である"繊細さ"に多少欠けるかもしれません。
 もう一つの特徴である低音が本当に細い点は立派に引き継いでいます。

  ちなみに、LAOX楽器館に修理に持っていった時に、"エーケージーニヒャクヨンジュウエス"と
 発音したら、ああ、"アーカーゲーニーヨンマル・スタジオ"ですねと言われて、
 そんなんどっちでもええやんと思いました。

  現在、定価23000円ぐらいですが、1万強ぐらいで手に入るそうです。生産は中止され次の
 モデルに移ってますけどね。これはこれで使い所は多い便利な奴です。

*4 SENNHEISER. HD595:
  なんだか、ソリッドなデザインのヘッドホンです。所によりますがHD580より数千円安く、見た目
 も頑張れば外に連れ出せそうで、あかぬけてます。 着装感は抜群。 音はHD580より硬質で、
 なんか近距離からまとめてドカッとくる感じで、モニタリング用にはチョット...という感じでした。

  なお連れ出すという事においては、近所のマルエツで制服女子高生がK501を着けているのを
 見かけましたので、ああ世の中の人は、なんでもありだなと。 ちなみに盛大に漏れてくるその
 曲はジャニーズでしたがK501ってipodなんかで普通に鳴りましたっけ? 何で再生していたのか
 その点は謎。

*5 バイノーラル
 bi-aural=2つ耳。 耳を模したダミーやら、実際の人間の耳穴にマイクを突っ込み、録音する
 という男気溢れた録音方法。ステレオマイクなんかよりも、音場が拡がります。

 たにくぐの「Lives」の最終曲で入っている環境音がこれ。


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コメント 5

tamegorou

ご無沙汰してます
HD580ご購入おめでとうございます
長く使える良いヘッドホンだと思いますし、
痛い音のチェック以外はモニターとしても充分いけると思います
パワーバランスはモニタースピーカーに近いのではないでしょうか
by tamegorou (2005-11-19 14:24) 

texas

僕のブログに書き込みいただき、ありがとうございました。
「アーカーゲーニーヨンマル・スタジオ」ですね・・・って、LAOXの店員も別に言い直さなくてもいいんじゃないかって思いますけどね。
「HD580」ご購入されたようでおめでとうございます・・・自分はつい最近「K171s」を購入したばかりなのですが、ゼンハイザーは入門用として「PX200」から始めてみたいなあと思っています(何かと「PX200」はAKGの「K26p」と比べられる事が多いので)。
ヘッドフォンはハマると奥が深そうですよね。自分はまだまだ初心者ですが、海外ヘッドフォンが好きなので、色々教えていただければと思います。
by texas (2005-11-20 00:21) 

sigarami

>tamegorouさん
 いやはや、そちらはstaxですか。 すごいっすね。

 今回、購入前にかなりtameorouさんの記事を参考にさせていただきました。
 
 アカゲーも在るので、2台使えば相当な領域はカバーできそうです。
 ただ、2台ともリスニング用としては今一っ歩の部分がありますね。
 とか、言い出して皆泥沼に嵌る訳ですが。

 あと、tamegorouさんのHD580も低音でちょっとビビリますか?

>texasさん
 LAOXは、まあ、言いたくなる気持ちも分からんではないですが、
 なら、240も変換して欲しい所でした。
 PX200とk26pは、毎週1回は必ず見掛ける程、売れているようですね。
 携帯折りたたみというとKossのポータプロ以上の音に出会った事が無い
 ので、ちょっと聞きたいですね。たしかこちらは、LAOX楽器館(秋葉)に
 視聴機が置いてあったように思います。
by sigarami (2005-11-20 21:06) 

tamegorou

sigaramiさん、量産品には多少個体差のバラツキがあります
エージングで60時間ぐらい鳴らしている間に取れると思われますが、
もしそれ以降でもビビル場合は初期不良の疑いもありますね

あとは、念のため、左右のコネクタ部分を一度抜き差ししてみるといいかもしれません
赤と黒のLR表示がある部分を持って、ゆっくり引っ張れば、割と簡単に抜けるようになっています
ケーブルは絶対引っ張っちゃダメですよー!(笑)
by tamegorou (2005-11-21 02:32) 

sigarami

まだ、40時間くらいなのでもうチョット鳴らしてみます。
正常なのか、異常なのか解らない辺りがオーディオ機器の
素敵な所です。
by sigarami (2005-11-21 11:03) 

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