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連載MIDINES講座【中級2 三角波・Noise・DPCM】 [chiptune]

さて、やって参りました...MIDINES講座3回目。何げに前回の矩形波編から、3ヶ月も経っていますね…その間にGlitchMachineという強敵あり、ライブ出演あり、リミックス作業ありでしてね...今回はファミコンのCPU、RP2A03の2番ピンから出ている音達、三角波、ノイズ、DPCMについて使っていきたいと思います。

最初に、先に公開しておいた使用例動画を置いておきますねと。



■■■三角波■■■■■■

こんなブログに辿り着くぐらいの人達ならきっとご存知だと思いますが厳密にいうと三角形に成りきれていない波形をしており、"疑似"三角波と呼ばれてしまったりします。どんな形かというと、

三角波.png

階段ですね。分解能は4bitなので16階です。PSGの音量も4bitの分解能でしたから、同じような回路を利用して再生周波数に合わせてアップダウンカウントさせてんだと思います。

三角波の最大の欠点は音量を替える事ができません。(階段の生成に4bit使ってますからね…) またアップダウンだけで1周期を終える矩形波に比べると、いちいち階段を上がったり下がったりする分、高音(短い周期)だと少し音程が狂うと言われています。あんまり気に留めた事がないですが、僕の耳が腐ってるのかも知れません。

それを補うように、逆に低音は矩形波よりも低い所(Aマイナス1)まで鳴らす事ができます。(動画①)実際には長い周期に成る程1段1段が目立って、矩形波由来の倍音が聴こえてくるので低いって感じは薄いのですけどね…やはり最大の武器は、三角という波の形そのものです。正弦波に近く実楽器だとフルートに近いです。ドラクエ3のホコラの曲なんざ三角波がファミコンでやった最高の仕事といってもいいですね。



三角波はMIDI CH3に割り当てられています。

使用MIDI CC
・MIDI PitchBend
・CC08 FinePitchBend
の2種だけですが、動画②LFO 動画③FM的な変化 動画④キック などの音が作り出せます。 DPCMを頼らずにキックを作るには事実上三角さんを頼るしかないのでクラブ向けChiptuneでは必須のテクニックとなっています。



■■■ノイズ■■■■■■

いわゆるホワイトノイズを発生させるチャンネルです。不規則な上下振幅で周期性がない為、全ての波長を含むという意味で「ホワイトノイズ」といいます。ファミコンのノイズは矩形の振幅高さは同じで振幅のパターンが不規則になっており、ノートオンベロシティで振幅高さを変更し、音階で周波数を替えます。通常は長周期とよばれる32767bitの振幅パターンなのですが、短周期モードにすると93bitの振幅パターンとなります。この短周期ノイズは周期が短く規則性が把握しやすいため、金属的な音として使うことができます。(動画⑤)

なんといっても2ピンから出る音の中では唯一音量が変化できるのが強みです。ハイハットからスネアをパーカッシブに打ち込む事ができます。

ノイズはMIDI CH4に割り当てられています。
CC07=Master Volume
CC09=Channel length envelope
CC10=Toggle OFF(63以下)/ON(64以上) noise channel loop envelope
CC11=Toggle OFF(63以下)/ON(64以上) volume Envelope disable

動画⑥ではCC07でボリュームを高速に動かして、短周期モードの中にスネアっぽい変化を混成させてみました。
CC10をOFFにするとノートレングスがあってもループせずにCC09で指定した長さで終わります。
CC11をONにすると音量のなだらかなフェードアウトが発生します。

再生周波数および長周期、短周期は音階に割当られている為、鳴らすのはラクチンです。



■■■DPCM■■■■■■

DPCMです。DPCMの"D"はDifferential もしくはDeltaの略と言われており、どちらも差分を記録するPCMです。PCMは波形を一定周期で抽出して全体を記録していく方式ですが、実際の波形をみてみると音の出ている間は、高い位置で振幅しており桁上げ分のデータが無駄になってしまう為、DPCMでは波形の前の抽出位置からの差を記録する為、データ量を節約する事ができます。2A03は1bitフラグでボリュームの増減方向を得て、6bit(64段階)で変化量分変化します。なんかもう1bit無効bitがあるみたいですがMIDINESでは録音ができたり、サンプリングデータが作れる訳ではないので考えるのはやめます。

①バンク切替
CC14 Switches between Bank 01 - and Bank 02

MIDINESのDPCMは1度に128サンプルを羅列したドラムセットが2Bankある構造になっています。
63以下でBank1、64以上でBank2です。動画内で言及していますが、Bank1にはTR-909,808,707, LINN, Amenなどが収録されておりリズムトラック作成に特化しています。Bank2には、生ドラムっぽいセットもあるのですがその大半が飛び道具系のボイスサンプル、音程の存在するHIT系の音になっています。(動画⑦)

②再生レート(音程変更)
CC 03 = Sample Playback rate (pitch)

元々RP2A03のDPCMには16段階で"CDEFGABCDFGACEGC"と上がって行く再生レートが設定されていて、これをコントロールします。なんで素直に並ばずに終盤飛び飛びになってるのかは謎ですが…(動画⑧).ちなみにMIDINESでは1サンプリングのノートオン中に再生レートを変更する事ができます。(loopOFFだと最後再生した所でノートオフになりますが)

③サンプルループ
CC 04 = Loop Sample (loops sample according to current length)

CC04を64以上にすると、ノートオフするまでにサンプル再生が終わっても先頭からサンプル再生を繰り返します。

④サンプル再生開始位置/再生長
CC 05 = DMC Sample start address offset (Only if address override enable is ON)
CC 06 = DMC Sample sample playback length (Only if address override enable is ON)
CC 08 = Toggle OFF/ON DMC address+length override

CC08を64以上に設定すると、CC05の再生開始位置とCC06の再生長が有効になります。
ループをONにしておくと、CC06を短くするだけでGlitch感でますね…あとCC05を変更すると
あきらかに波形情報じゃない所まで再生してくれていい感じです。

⑤ WAVE TRAVELER
ええ、今回の記事が大幅に遅れた原因のコイツの登場です。動作パラメータだけを見ると④のサンプル再生位置・長さと再生レートを複合させたループ機能(AKAIのSCRUBBINGとの記述あり)の様に思うのですが、若干理解できない音色変化が起こります。(動画⑨)

CC 09 = Travel param tone 謎の音色変化パラメータです。音程が変化するのでピッチ相当かも。
CC 10 = Travel speed 再生レートです。
CC 11 = Travel loop size WaveTravelerが循環するサンプルの長さです。
CC 12 = Toggle OFF/ON DMC Wave Traveler 

CC12を64以上にし、CC09,10,11を操作します。CC05,CC06も同時に利いてきますので適宜調整が必要です。

⑤その他の謎パラメータ
CC 02 = Value to load
CC 13 = Toggle OFF/ON PCM Modulation

実態はコントロールレジスタ$4011デルタカウンタらしいのですが、CC13を64以上にしてCC02を動かしてもプチプチしか鳴りません!!誰か情報をたれ込んでください。

今回の情報は以上です。次回はまとめに入ります。

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